溺愛妖狐ひろいました
「じゃあ、このTシャツいったん脱いでくれる?」
恥ずかしいとか、言ってる場合じゃない。
まるで子供みたい。
でも、Tシャツを脱いだ姿を見て、私は思わず吹き出しそうになった。
だって、下着も前後逆に履いていて、前開きのところから可愛い尻尾が出てるんだもの。
「これでも、いいけど、尻尾はしまえないの?」
「まだ力が不安定だから無理だ」
「そっか。じゃあ、これはこのままで、ズボンには尻尾の穴を開けてあげるね」
なんだろう。
口は悪くて憎たらしいのに可愛らしい生き物は。
なにも知らなくて子どもみたいなのと、この癒し系な尻尾と耳。
「これは、上に着るの。それ着てまってて」
「わかった」
モソモソと手こずりながらも着ているのを横目に見ながら、私はハサミを持ってきてズボンのお尻の部分に小さな穴を開けた。