溺愛妖狐ひろいました
☆蘇りし記憶
医務室につくと、尊をベッドに座らせる。
相変わらず頭痛が収まらない様子で心配。
「尊、大丈夫?水飲む?」
「・・・う・・・うう・・・」
いったいどうしたというのだろう。
白銀部長に会ってから様子がおかしい。
こんな風に苦しむ尊なんて、はじめてだ。
「ぅう・・・っ、ぅあ!!」
「きゃっ」
ドン、と突き飛ばされ、尻餅をつく。
突然の事に驚きながら尊を見上げる。
「無様な姿だな」
いつの間に追ってきていたのか、振り向けば白銀部長の姿。
その時、突然突風が吹き荒れ目を閉じる。
風邪が収まり目を開くと、尊が妖狐の姿に戻り光る鎖に身体を固められていた。
「尊!?」
どうなっているの?
白銀部長を振り向くと、そこには、真っ黒な毛並みの獣耳と尻尾をつけた尊と似た姿の白銀部長の姿。
白銀部長は・・・妖狐・・・?
「あ、あなた・・・」
やっぱり、同じ妖狐だから尊の正体を知っていたんだ。
尊自身の事も、知っている・・・?