溺愛妖狐ひろいました
「大丈夫?」
「ごめん・・・。仕事中なのに」
「ううん。今は落ち着いてるし。亜子の仕事もそうでしょ?」
「・・・うん。遊佐先輩に頼まれた仕事はあるから、それはしなくちゃいけないけど・・・」
「とりあえず、落ち着いてからにしなよ」
「・・・うん」
秋穂がもってきてくれた温かいココア。
少しだけ落ち着いて涙も止まった。
「どうしたの?」
「・・・私のお節介が、また人を傷つけてしまうかもしれなくて」
「人・・・?尊くんのこと?」
「・・・うん」
私は素直に認めると、秋穂がうーん、と考え込む。
「尊くんが亜子のお節介を嫌がってるようには見えなかったけど?」
「今までは、そうだったんだけど・・・。ちょっと状況が変わったっていうか・・・。うまく言えないんだけど」
話を聞いてもらいたいけど、うまく説明できない。
話すには、非現実的な話が多すぎて。
秋穂の事は信頼しているけど、私だって突然そんな事を言われてもにわかに信じられないだろう。