溺愛妖狐ひろいました
「尊の過去を知っても、それでも、やっぱり私は尊が好き」
「おれ、たくさん人間殺した」
「うん。それは、償わないといけない。どうしたら償えるのかなんてわからないけど、一緒に考えよう」
過去は消えない。
妖狐の事もわからない。
「お前はバカだな」
「え・・・?シロ?」
「お前の罪は、巴様を殺した、神殺しだけだ」
「え・・・どうして」
「妖ものである俺たちに人の生き死をどうこうできるわけがない」
「でも、」
ずっと黙って聞いていた白銀がため息交じりに話す。
「確かにお前は村を襲った。村は壊滅的な被害を被った。だが、お前が直に手を下したわけじゃない。天災を引き起こした程度の事」
「そうだけど・・・」
「あの時、村の人間はすべて非難していた」
尊は殺したと言っていたから、その手で、という意味だと思っていたけど違ったの?
私はうまく理解できず尊と白銀を交互に見た。