溺愛妖狐ひろいました


「あの、仮眠の邪魔をしてすみませんでした。私、仕事に戻ります」



そう言って頭を下げてその場を去ろうと振り向いた。
そしてそのまますぐにこの場を去りたい。

側では尊が心配そうに成り行きを見ている。



「お前さ」



そんな私を、遊佐先輩は呼び止めた。
思い通りに去れなかった私は戸惑いながらも体を遊佐先輩の方へ戻した。



「はい」

「最近たるんでんじゃねえの?」

「え・・・?」

「あのバイトに構いすぎなんじゃねえの?仕事なのわかってんのか?」

「そ、それは」



確かに、最近尊の事で仕事をおろそかにしていた自覚はある。
それでも、やる事はきちんとやっていたし、期限は守った。


でも、仕事に厳しい遊佐先輩には許せなかったんだろう。
言われても仕方がないと思う。



「すみません。これからはちゃんとします」

「お前と一緒に仕事して、お前のこと少し見直してたのにがっかりだわ」

「先輩・・・」




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