溺愛妖狐ひろいました


「ゆ、遊佐先輩・・・」



どうしてこうも、この人とはタイミングが悪いのだろう。
きっと、この間みたいにもう姿が見えていない状態だったら誤魔化すことができた。
でも今、尊は目の前で変化が解けた。




「なんだよそいつ・・・。その耳・・・。どういうことだ?」

「これは・・・」



なんと誤魔化したらいいんだろう。
コスプレ・・・なんて言い訳は通用しないだろうし。

その耳、ということは今の姿が遊佐先輩にも見えているってこと。
力尽きて変化が解けたから中途半端な状態なのだろうか。



「あの、先輩はなんでここに・・・」

「最近忙しくて寝る暇ないから、昼休憩に仮眠取ってんだよ」



そう言えば、最近遊佐先輩私が帰る時にも仕事をしている。
休憩時間に仮眠室を使うのは問題ないし、いてもおかしくないんだ。

私のせいだ・・・。
ちゃんと考えてなかった。

もっと他にも使われてない会議室とかだってあったのに。



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