溺愛妖狐ひろいました
★突然の告白
「約束は、約束だ」
「そんな・・・」
先輩にばれたことは、すぐに白銀にも伝わって帰って早々尊の人間生活の終止符を告げられた。
私はそれにどうにか抵抗したけど、もっともすぎる答えが返ってきて消沈。
「異論は認めない。その男が他言しないという確証は持てん。それに、そもそも尊が人間界にいること自体が特例なのだ。ここまで許していたことだけでもありがたいと思う事だ」
「うん。わかってるよ、シロ。おれ・・・楽しかった。でも、これ以上亜子に迷惑かけたくない。だから、もういいよ」
「尊・・・。でも、せっかく人間の事いろいろ知っていって、これからきっと人間の事も好きになれたかもしれないのに!」
せっかくのチャンスだった。
恨んだままでいてほしくない。
そんな人間ばかりじゃないんだって。
わかってほしかった。
「十分だよ。亜子みたいな優しい人間がいるって、ちゃんとわかったから」
尊はそう言って笑うと私の頭を撫でる。
なんでそんな、優しいの。
私の配慮が足らなかったからなのに。
もっとちゃんと、私が護ってあげなくちゃいけなかった。