溺愛妖狐ひろいました
「だから、見ててイライラすんだよ」
「じゃあ見ないでください!」
まるで子どもだ。
こんな風にやけになって言い返して。
でも先輩だって大人げないと思うんだ。
なんでこんなつっかかってくるんだろう。
「そんくらい、向かって来れば考えてることだってわかんのにな」
「え・・・?」
顔をあげ見ると、先輩はもう背を向けて歩き出していた。
なに・・・?
どういうこと?
よくわからない。
言いたいことだけ言って去っていくなんて。
「わけわかんないよ・・・」
もういいや、帰ろう。
ミコトが待ってる。
先輩の事なんて、もう知らない。
でも、あんな風に誰かに言い返したのなんて、初めてかもしれない。