溺愛妖狐ひろいました
★看病
「ただいまー」
“ただいま”って家に帰って迎えてくれる人がいるっていつ以来だろう。
「おかえり」
すっかり懐いてくれているミコトがトタトタと足音を鳴らしながら出てくる。
大きな子どもみたいなミコト。
「おりこうにしてた?」
「うん。ちゃんと約束守った」
「そう。よかった」
ミコトの尻尾が嬉しそうにフルフル揺れている。
狐でも尻尾に感情が現れるのかしら。
「ご飯にしよっか」
「うん!」
嬉しそうに部屋に戻っていく背中。
あれ?
なんだかフラフラしてる?
「ねえ、ミコト・・・」
不思議に思って呼び止めようと手を取る。
すると、その手がすごく熱いのに気づいた。
「ミコト、あなた熱があるんじゃ・・・?」
「え?」
キョトンとした表情が返ってくる。
自覚、ないの?