溺愛妖狐ひろいました
★愛してるの言霊
「ごめんなさい」
尊と別れた次の日、私は遊佐先輩に告白の返事をした。
たとえ、尊への想いが叶わないとしても。
そうだとしても私はやっぱり尊が好き。
尊のことを忘れることはできない。
他人から見れば馬鹿げているかもしれない。
もう会えないかもしれない人。
生きる場所も生きる長さも何もかも違う。
それでも、忘れることのできない恋なの。
まだ少し足掻いてみたい恋なの。
「・・・あいつが好きなのか?」
「はい」
「人間じゃないんだろ?それでも」
「それでもいいんです。それでも、私には尊がいいんです」
わかってもらおうとは思わない。
でも。
先輩にはちゃんと話したいと思った。
私を好きだと言ってくれた。
その想いには、ちゃんと正直に答えたかったの。