溺愛妖狐ひろいました
「あったかくして寝てて。私、雑炊でも、作ってくるから」
「亜子、この部屋ダメって言った」
「そうだけど、病人をソファで寝かせるわけないでしょ」
私のベッドにミコトを寝かせ布団を肩までかける。
ミコトの顔は熱のせいか赤い。
なんで気づかなかったんだろう。
最初の手当ての時身体が熱いのには気づいたのに、その後色々驚きが重なってそんなこと忘れてた。
「ちゃんと寝ててね」
ミコトに再度忠告して部屋を出た。
狐というか、妖怪も熱が出ることがあるんだ。
私はキッチンに立つと、急いで料理を始めた。
なんだか、今日あった嫌なこともどうでもよくなる。
最初は妖怪なんて怖いって思ったし、ミコトも警戒心丸出しだったから。
でも、あんな風に懐いてくれて甘えられるのは悪い気はしない。
いろいろと、世話をやきたくなっちゃう。