溺愛妖狐ひろいました


もし会えるのなら。
例えおばあちゃんになっていたとしてもいい。

それでもいいから、会いたいよ。



そんなに先の自分の気持ちの事なんてわからないけれど。
今思うことは、何年経ったって私の気持ちは色褪せないってこと。




「ついさっき、尊の刑期が決まった」

「・・・何年?」

「百年」

「・・・っ、百年って!そんなの、会いたくったって会えないじゃない」



なによそれ。
ぬか喜びだわ。
百年先なんて、生きていたとして百二十歳を超える。
そんなにも、長生きできるわけない。
急激に医療が進歩でもしなければありえないよ。




「バカか。そんなもの、そもそも当然だろう」

「え・・・」

「生きている間に会おうなどと考える方がバカなのだ」

「な、なにそれ!ユーレイになって会えって言うの?そんな、死んだあとの事なんてわからないじゃない」




例えユーレイになったとして、妖である尊と会えるのかなんて知らないし。
死んだあとどうなるのかなんて、そもそもわからない。


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