溺愛妖狐ひろいました


「お前が死んだところで尊には会えない」

「・・・じゃあなに?結局会えないってことじゃない」

「最後まで話を聞け、馬鹿が」

「バカバカって、さっきから人の事をなんだと・・・」



ほんと、口の悪いやつ。
なにを言いに来たのよ。
私の心をかき乱したいだけなの?



「一つだけ、方法がある」

「え・・・」

「お前が死んだあと、尊に会う唯一の方法だ」

「・・・!どうしたらいいの!?私、なんだってする!」




そうすれば、私は尊の事を待っていられるの?
尊が罪を償って出てくるのを待っていられる?



「妖になるという契約を交わすことだ」

「妖に・・・?私が妖になるってこと?なれるの?」

「お前が死んだ後、その魂を妖の抜け殻に定着させる。そうすれば、お前は妖として生きることとなる」

「そんなの決まってる!契約するわ!」





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