溺愛妖狐ひろいました
「亜子ー、でたぁ」
「あ、うん。おかえ、りって、ちょ、ミコトストップ!」
髪もびしょびしょのまま、身体が濡れてるのもほとんど拭けていないまま、上半身裸の状態のミコト。
確かに、想定してたけど!
そうなるかなって思ってたけど・・・。
「これ、どしたらいいの?」
「とりあえず、髪纏めるからしゃがんで。それから、タオル・・・」
手に持っていたタオルで髪を纏め、もう一枚持ってきたタオルでミコトの身体を拭く。
ほんと、これじゃあまるで本当の子育てだわ。
「服着て。それから髪乾かすからソファに来て」
「ん・・・」
素直に言うこと聞いてくれることが救いかな。
手がかからないし。
って、ほんと考えてることお母さんみたい。
「亜子ーでけたぁ」
「はいはい」
ソファに座って私を呼ぶミコトのもとに慌ててドライヤーを持っていく。
コードを延長コードにさすと電源を入れる。
ブォーッと音を立て風が出るドライヤーにミコトはビクッと身体を揺らしていた。