溺愛妖狐ひろいました


「だから、亜子の事好きだ。亜子は人間だけど、他の人間とは違う。亜子の事は信じられるって思った」

「・・・ありがとう」

「でも。あの時、わけわかんなくなって、気づいたら亜子の事襲ってた」




眠ってた時だった。
なにか恐ろしい夢でも見ていたのかな。
うわごとのように何度も、「殺してやる、許さない」って言っていた。




「だから、怖い。わからないうちにまた亜子を傷つけたらって。亜子の事大好きだから。傷つけたくない」

「だから身動き取れないように手を縛ったの?簡単に襲えないようにベランダに出たの?」



私の問いに、ミコトは口をキュッと結んで頷いた。
そっか。

そっか・・・。


ミコトはミコトなりに、私の事を護ろうとしてくれたんだ。
それ程、ミコトが思い悩んで、苦しんでたんだ。




「ごめんね、ミコト・・・。ミコトが自分の事責めてること私、気づいてたのに。なんて言ったらいいのかわからなくて。自分の事で精いっぱいで」

「違う、おれのせい。亜子悪くない」

「ううん。時間が経てば解決するんじゃないかって簡単に考えてた。それが間違ってた。ミコトはこんなにも悩んでたのに」




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