奥様は整形美人！？
「…くん…櫻井くん。」

「はい！」

ヤバい。
また今朝の事を考えてしまった。

「どうしはったんですか？ぼーっとして。」

いつもと明らかに違う俺を心配そうに見つめるのは、営業部のアシスタントの三井さん。

小さな丸顔にクリクリのパッチリした目、小さなぷっくりした唇

彼女はここのアイドル的存在らしい。


「あ。いや…何でもないです。どうかしましたか？三井さん。」

俺が微笑みかけると、少し顔を赤らめてうつむいた。

そして、上目遣いで再び俺を見ると

「うちの部長が呼んではります。」

と言った。

「ありがとう。いくね。」


…部長が呼んでることを言うために何故上目遣いにならないといけないんだ？

俺は、ああいうタイプは苦手だ。


営業部の部長の元に行くと

「櫻井くんの嫁さんは三井くんよりべっぴんかな？」

とからかう様に言った。
「はい？」

「いや…取り引き先のパーティーに招かれてるやけど…櫻井くんにも来て欲しいと先方に頼まれてね。」

つまり…夫婦で出るわけだな。


「わかりました。後で日時をメールしてください。」

「わかった。」

部長から離れると三井さんがこちらを見ていた。

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表紙・目次

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