笑わなくなった妖精が笑うには。
もう教室に行ってしまったかもしれないけど、走ってみよう。
…いた!
亜麻色の髪のミディアムロングの子。
きっと、そう。
「ひっ…菱田さん!!!」
「えっと、なに?」
「あの、菱田さん。靴箱間違えてます。」
「あっ、ごめんなさい!」
そう言うと申しわけなさそうに靴箱に戻って行ったため、私も同行した。
「もう、ごめん!ほんと、ごめんなさい!」
靴を入れ替えて彼女は人懐っこい笑顔で笑った。
うわー、まぶしい、まぶしい!
あ、違う。そろそろ教室行かなきゃ。
「菱田さん、そろそろ戻りません?」
「あっ、そうだね。」
少し短いスカートをゆらしながら彼女は歩き出した。
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