ビルの恋
なるほど、その手があったか。
でも、紀美子さんの仕事は17時までだ。
「ね? 何時に仕事上がれそう?」
「早くても19時ですよ、紀美子さんもう帰ってる時間ですよ」
「気にしないで。
じゃあ、金曜日の19時にここにきてね、髪もちょっと結いましょうね」
紀美子さんがワクワクしているのが伝わってくる。
「でも、その、なんですか、ドレッシーな服。
私持ってないですよ」
「大丈夫。私のを貸してあげる。
仕事柄、以前はハイブランドのものを買ってたのよ」
「ハイブランド!? だったら猶更ご遠慮します。
そんな良い物、申し訳ないです」
「気にしないで、もう着てないから。
人にあげたりしてかなり処分したのだけど、特に気に入っていた何着かは手放せなくて。
うちは息子2人だから、奈央ちゃんに着てもらえたら嬉しいわ」
「私より5センチくらい背が高いから、ジャストフィットというわけにはいかないかもしれないけど、
目立たず着こなせるものを持ってくるから」
金曜日は黒のヒールで来るよう指示され、その日のランチはお開きとなった。
でも、紀美子さんの仕事は17時までだ。
「ね? 何時に仕事上がれそう?」
「早くても19時ですよ、紀美子さんもう帰ってる時間ですよ」
「気にしないで。
じゃあ、金曜日の19時にここにきてね、髪もちょっと結いましょうね」
紀美子さんがワクワクしているのが伝わってくる。
「でも、その、なんですか、ドレッシーな服。
私持ってないですよ」
「大丈夫。私のを貸してあげる。
仕事柄、以前はハイブランドのものを買ってたのよ」
「ハイブランド!? だったら猶更ご遠慮します。
そんな良い物、申し訳ないです」
「気にしないで、もう着てないから。
人にあげたりしてかなり処分したのだけど、特に気に入っていた何着かは手放せなくて。
うちは息子2人だから、奈央ちゃんに着てもらえたら嬉しいわ」
「私より5センチくらい背が高いから、ジャストフィットというわけにはいかないかもしれないけど、
目立たず着こなせるものを持ってくるから」
金曜日は黒のヒールで来るよう指示され、その日のランチはお開きとなった。