ビルの恋
「え・・・冗談」
突然のことに驚き、私は話をはぐらかそうとした。
「本気です。
こんなこと冗談で言いません」
本条君がきっぱりと否定する。
全く予想外の展開だ。
「ごめん、突然すぎて頭が回らない」
「ですよね。
いいですよ、そこ座って考えていても。
僕、作業してるんで」
本条君は、壁に立てかけてあったパイプ椅子を広げてくれた。
私はそのパイプ椅子に腰かけ、気持ちを落ち着ける。
心当たりがなくはない。
本条君が頼りなく、サイモンにしょっちゅう叱られるので、私は優しく接するようにしていた。
まさかそれで私を好きになったんだろうか。
だとしたら、本条君はなんて単純なんだろう。
「なんで私なの」
思い切って聞いてみる。
「好きだから」
また即答だ。
その後、本条君はしばらく黙って袋詰めの作業を続けた。
終えると、こちらを向いて聞いた。
「今週土曜、空いてますか?
一日付き合ってくれませんか。そうしたら、色々お話できると思うので」
「ちょっと、考えさせて」
そう答えるのが精いっぱいだった。
胸がバクバクしている。
「わかりました、明日にでも都合を教えてください」
本条君はいつもの調子で言うと、資料を抱えて部屋を出て行った。
突然のことに驚き、私は話をはぐらかそうとした。
「本気です。
こんなこと冗談で言いません」
本条君がきっぱりと否定する。
全く予想外の展開だ。
「ごめん、突然すぎて頭が回らない」
「ですよね。
いいですよ、そこ座って考えていても。
僕、作業してるんで」
本条君は、壁に立てかけてあったパイプ椅子を広げてくれた。
私はそのパイプ椅子に腰かけ、気持ちを落ち着ける。
心当たりがなくはない。
本条君が頼りなく、サイモンにしょっちゅう叱られるので、私は優しく接するようにしていた。
まさかそれで私を好きになったんだろうか。
だとしたら、本条君はなんて単純なんだろう。
「なんで私なの」
思い切って聞いてみる。
「好きだから」
また即答だ。
その後、本条君はしばらく黙って袋詰めの作業を続けた。
終えると、こちらを向いて聞いた。
「今週土曜、空いてますか?
一日付き合ってくれませんか。そうしたら、色々お話できると思うので」
「ちょっと、考えさせて」
そう答えるのが精いっぱいだった。
胸がバクバクしている。
「わかりました、明日にでも都合を教えてください」
本条君はいつもの調子で言うと、資料を抱えて部屋を出て行った。