ビルの恋
翌日、私は久しぶりに定時に仕事を終えた。

5階のジムに寄ってたっぷり走り、広いスパでゆっくり入浴した。

テナント企業の社員であれば、高級フィットネスクラブが入会金無料、会費半額で利用できるのだ。

帰りにビールでも飲もう。

久しぶりにすっきりした気持ちで、ジムのフロントで手続きをしていると、隣に人の気配を感じた。

見ると、伊坂君だ。

< 9 / 79 >

この作品をシェア

pagetop