明日も歌う あなたのために
突然のことに驚いてスマホを放り投げそうになるが、なんとか体勢を持ち直す。
そして深呼吸して、咳払い。
「もしもし…………」
『あ、湊くん!?大丈夫!?』
電話の向こうの花菜さんは、ひどく慌てているようだった。
「なにが?」
『身体だよ!!熱計った?!何度!?』
「や……わかんない」
『薬は飲んだ!?ご飯食べた!?』
花菜さんはすごい勢いで尋ねる。
「え、まだご飯じゃない」
従って、薬もまだだ。