明日も歌う あなたのために
以前はクラスメートが
ぞろぞろやってきたり、
龍以外にも毎日来てくれる人が居たのに、
病院を移った途端に
母さんくらいにしか会わなくなって
ちょっと寂しかった。
だから、世界から切り離されただなんて、拗ねたことを考えてしまう。
「てゆうかお前、元気そうじゃねーか。
寝てなくていーのかよ」
俺は見舞い患者用の椅子に座って
雑誌を読んでいたけれど、
龍が来たので移動してベッドに
腰をかけた。
「寝てるより楽だから。ささ、どうぞお座り下さい」
「おう」
龍は椅子に腰をかけると、
きょろきょろと辺りを見渡した。
「寂しい部屋だなおい。本と写真立てくらいしかねーじゃねぇか」
「だって他に何持ち込むんだよ」
「しょうがねぇな、俺が明日ゲーセンでとったブタのぬいぐるみ持ってきてやるよ」
「いらねぇよ!」
いや持ってくるからな、
と言って口を尖らす龍。
ブタのぬいぐるみはともかく、
明日も来るつもりで居てくれるのが
嬉しかった。