明日も歌う あなたのために
「花瑠は、"強くなる"ってどうゆうことだと思う?」
捲っていた袖を戻して、私の方に向き直して聞いてくる。
「私は………そうだなぁ」
強くなるってことがどうゆう事かなんて考えたことなかった。
「えっと、私はその筋肉とかと言うよりは……今の自分に打ち勝つ事じゃないかなっ……」
「自分に………打ち勝つ?」
私の言葉の意味がよく理解出来なかったのか、眉をひそめて首を傾げる高梨。
とは言え、私も自分の言いたいことが明確に整理できている訳では無い。