明日も歌う あなたのために
俺と花瑠がそうやって冗談を言い合っていると、突然にギターの不協和音が大音量で鳴り響いて思わず耳を塞ぐ。
「ほらそこ、二人だけの世界に入らない!」
犯人は龍。
だけど、その横に居る相沢も何やらニヤニヤしている。
「高梨ってばイキナリ”花瑠”って呼ぶようになるし、二人付き合ってんの?」
「はぁ!?」
「ええ?!」
相沢の発言に、俺と花瑠はほぼ同時にそう声をあげる。
「だってお前らこの前一緒に帰ってたじゃねーか〜」
「それは花瑠が俺を心配してくれただけだろ?!なぁ、花瑠」
「え………………、ま、まぁ……」
「……………花瑠?顔赤いぞ、熱ある?」
「ば、ばか!あんたのせいでしょ!」
「え、俺がこの前 伝染したのかな!?」
それにしたら時間差ありすぎじゃないか、と言おうとしたら、龍も相沢も呆れた顔でため息を吐いていた。
「……こりゃ、鈍いとかゆうレベルじゃねぇな……」
「ミナ………お前ってやつは………」
────は!?俺なんかしたか……??