明日も歌う あなたのために
「ハナちゃ〜んっご飯食べさせてや〜」
昨日から担当になった患者さん。
添野 真樹(ソエノ マサキ)さん。23歳。
3日前に大動脈瘤の手術を受けて、昨日ICUから一般病棟に移ってきた。
今彼が使っているのは325合室。
一ヶ月前に湊くんが退院してからずっと空いていた個室。
「添野さん、もう自分で出来るじゃないですか」
「冷てえなぁ〜、ナースが患者に向かってそうゆうこと言うか?普通」
「本当に食事に介助が要るほど体調が悪いのなら、先生に話して詳しく検査してもらうことになりますね」
私が冷たくそう言うと、彼は「チェッ」と舌打ちしながら自分で食事を始める。
自分でも態度悪いって分かってる。
けどどうしても添野さんは苦手なんだ。