明日も歌う あなたのために


「それに湊くん美少年だし、紳士的だもん。好きになっちゃうのも分からなくないしねー」




「えっもしかして友香も湊くんのことを……!??」




「まっさかぁ。そうね、あと彼が10年早く生まれてたらアリだけど、中学生じゃあね………私にそうゆう趣味はないもの」



なぜかドヤ顔気味でそう言う友香。



「ちょっと……私に"そうゆう趣味"があるみたいに言わないで。年下だからとかじゃなくて、私は湊くんだから…」



「あ、やっぱ湊くんのこと好きなんだ?」





…………うっ…、

酷い。誘導尋問だ…………。





「そうだよ……好きだよ」



少し前から自覚してはいたが、改めて口にすると結構恥ずかしくて、赤くなる頬を誤魔化すようにして膨らまして、友香を軽く睨んだ。


すると友香はクスッと顔を綻ばせ、優しい口調で言った。


「じゃあさ、添野さんにもちゃんとそれを伝えてみたら?案外素直に諦めてくれるかもよ?」



「そうなのかなぁ?」




「諦めてくれなかったとしても、伝えることに意味はあると思うよ」





────真剣に好きな人が居ると、添野さんにハッキリ言う、かぁ……。



確かに、それに対して添野さんがどう反応したとしても、しっかり伝えるべきなのかもしれない。



湊くんが真剣に私へ気持ちを伝えようとしてくれてるのだから、私も真剣に答えたい。




友香の言う通り、私は湊くんが好きだし、この気持ち嘘はない。



だったらしっかり向き合わないと、添野さんにも………。









< 157 / 303 >

この作品をシェア

pagetop