明日も歌う あなたのために

「はぁ……………痛……っ………」


そうゆう時は決まって、胸がきゅっとしめつけられるように痛くなる。


吐いてしまえば一旦は楽になるし、大人しくしてればじきに胸の痛みも引くのだが、酷い時は声を上げてしまうこともあって、わざわざ2階のトイレに来るのだ。



───でもいい加減………ここ1週間続いてる吐き気も治まってくれないと……えずきすぎて喉を痛めそうだ……。




前まではここまで酷いこともなかったんだけどな………。




荒い息をなんとか整えて、鏡で顔色と汗をチェックしてからトイレを出た。


すると入口のすぐそこに、龍が立っていた。



「びびったぁ!龍、なにしてんの?」


龍は壁に寄りかかって腕を組み、なにやら難しそうな顔をしている。


────いや、不機嫌なのか…?




「なにって、便所に決まってんだろ」


「わざわざ2階に?」


「それはお前もだろーが」


「………………ねぇ、龍。おこなの?」



「は?別に」



────やっぱ不機嫌ですよね〜…………。


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