明日も歌う あなたのために
「───お前大丈夫なのかよ」
「なにが?」
「とぼけんなよ、体調……」
───やっぱり龍にはバレちゃうか………。
こうなるとこれ以上の言い逃れは無駄。龍の神経を逆撫でするだけだ。
そんなことをして龍にマジギレさせたらもう俺でも手がつけられない。
「うんなんか、胃にきたっぽい」
「胃?心臓は大丈夫なのか?」
「平気。多分寝不足なだけ」
「お前…徹夜で曲書いてんじゃねーのか?」
「はは、書き始めると夢中になっちゃって」
「ったく………ほどほどにしろよ」
とは言っても、そうも言ってられない。
素直な気持ちを曲にしようとペンをとっても、妙なこだわりが生まれたりして、結局最後の仕上げが終わらないし。
ゆっくり眠ろうにも、横になると胸が痛くなる。
座って寝るなんてむしろ負担だし、かと言って当たり前だけどうちのベッドは病院のベッドみたいにリクライニングしないし。
結果、徹夜で曲作りする日々が続いていた。