明日も歌う あなたのために
【花瑠side】


部活。スタジオ。部活。スタジオ。

そんな毎日だった。




無謀だと思っていた私のベースも、ようやく人に聴かせられるレベルになり、高梨も「俺が見込んだとおり」って嬉しそうにしていた。


高梨が私を選んでくれたことが嬉しいから、私は頑張れるんだ。




「高梨って最近変わったよねー」


昼休み。友達数人と裏庭でお弁当を食べていたら、ひとりの子が言った。



「変わった?高梨が?」


私が首を傾げると、その子はうんうんと頷く。



「なんか急に男の子っぽくなったってゆうか……頼れる感じになったよね」



「そ…………そうなのかなぁ?」




「花瑠ちゃんは高梨とずっと一緒に居るから分からないんだよ」





────ずっと一緒にいる………?


高梨と私が………??





「うちらは違うって知ってるけど、二人付き合ってんじゃないのって噂になってんだよ?」




「え、そ…そうなの?!」




そう言えば前にも相沢と飯田にも同じようなこと言われたような………。



一緒に居ることが多いと「あいつら付き合ってる」なんて中学生にありがちな単純な思考回路だけど、そう噂されるくらい私たちは一緒に居るってことなんだ………。





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