明日も歌う あなたのために
その翌朝。
教室に入ると、机に突っ伏している高梨が見えた。
「た、高梨?大丈夫?」
心配して声をかけると、高梨の傍らに居た飯田がシーッと人差し指を立てる。
「寝かしといてやれ」
────高梨……寝てんだ……。
「なんか昨日調子悪そうだったから心配してたの。やっぱり寝不足なんだ」
「ああなんか最近胃の調子が悪いらしい」
────胃……?
じゃあ心臓のとは別モンなんだ……。
「ちゃんと寝ないから胃にくるんだよ〜」
「はは、その通りだな」
高梨の体調が思わしくないのは同じことだけど、心臓には無関係と思うとなんとなく安心できて、ほっとため息をつく。
すると、少しうるさくしすぎたのか、高梨が「ん…」と唸り声をあげて目を覚ます。
「…花瑠おはよ………」
「うわっ、高梨 顔真っ青なんだけど!」
「うん超気持ち悪い……」
そう言いながらもヘラヘラ笑う高梨。
「おいおい……大丈夫かよ」