明日も歌う あなたのために
教室内だけでなく、他のクラスの生徒もざわざわと集まり始めて、数人が先生を呼びに行くと言って走っていった。
いまだ高梨の様子は落ち着くこともなく、荒い息や咳を繰り返して、顔を歪めるだけ。
「佐原、仰向けにさせないようにそっちから支えてて、なるべく座った状態にしてやって……」
「う、うん分かった………!!」
強い動悸に押されて倒れ込みそうになる高梨を、必死に支えた。
額に大粒の汗を滲ませているのに、震えるその手を握ると、おそろしいほどに冷たい。
何かに縋るように、高梨も私の手を痛いほどに握り返してきた。