明日も歌う あなたのために
「湊くん!」
思わずそう叫びながら病室に入り電気を付けると、
ベッドの上に横たわる湊くんが、確かにその手でしっかりとナースコールを押していて、うっすらと瞼を開いていた。
「湊くん!大丈夫?自分がどうしたのか覚えてるかな?」
少なくとも、目覚めてから自分でナースコールを押したのだから、ここが病院だと言うことは理解しているのだろう。
目覚めたばかりの瞳に私の姿を捉える。
そして私の質問に応えようとするけれど、挿管のせいで口が利けないようだ。