明日も歌う あなたのために
────怖かったよね………湊くん。
祈るだけの私たちだって、
おかしくなってしまうくらい怖かったんだ。
きっと湊くんは………もっと……。
「俺、本気で……今度こそ……死ぬかと思っちゃった…」
そう震える声で呟いて、力なく笑った。
「強くなったら………花菜さんに会いたいと思ってたのに……」
ぎこちない笑顔で、どこか息苦しそうに言葉を落とす。
「なのに………一番弱くて、不安でカッコ悪い時に……会いたくなったのも………花菜さんだった」
私を写した、大きな瞳が揺れている。
「……花菜さんに…………会いたかった………」
「湊くん…………」
「会いたかったんだ……っ」
「──湊くん………っ!!」
今にも消えてしまうそうな、儚い彼の身体を衝動的に抱き寄せた。