明日も歌う あなたのために



「湊くんが……大好き」






─────だから届いて、私の気持ちも…………、

あなたのようにまっすぐに。






頬に触れていた手のひらを、あなたはそっと自分の膝に落とす。


何も言わずに俯いて、再び手のひらを浮かせて胸に手をあてる。




「───嬉しすぎて心臓とまるかも」





掠れた声でそう呟いて、顔をあげて悪戯っぽく微笑んだ。



───湊くんの身体にその冗談はキツイ。






「湊くん……それ、笑えないわ」





「ふふっ、笑ってんじゃんか」





そう言われて初めて気付く。


彼の潤んだ瞳に映る私は、

確かに、いつの間にか、

愛おしそうに彼を見詰めて微笑んでいた。





「やっと笑ったね………花菜さん」






反対に君は、今にも泣きそうな顔をして、それを誤魔化すように小さくまた微笑んで私の胸に顔を埋める。





「─────もう、泣かせないから」






自分が泣きだしそうな癖に、無理してそんな男らしいことを言おうとする湊くんに、思わずまた笑みが零れた。

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