明日も歌う あなたのために
「あんた馬鹿じゃないの!?そんな事の為に走って、死んでも知らないから!!」
「花瑠っ!!」
────パンッ、
と鋭い音がして、
頬が痛い。
おねーちゃんは今までに無いくらい怖い顔をして、私の頬を思いっ切り引っぱ叩いた。
生まれて初めてだった、
おねーちゃんに………いや誰かに頬を叩かれるなんて。
「花瑠、湊くんに謝りなさい」
おねーちゃんとは思えないくらい冷たい声で、睨むようにそう強く言われた。