明日も歌う あなたのために

怒り

【湊 side】



「なぁ……お前、佐原と何があったんだよ」



いつものように学校帰りにお見舞いに来てくれた龍に、勉強を教えて貰っている時、そう龍が切り出した。



「───なんで?」



「最近、ミナのとこ行こうって佐原を誘っても全然来ねーから」



「───そうだね……」



お見舞いどころか、連絡もつかない。


あの日以来、まともに話が出来ていない。




「────花瑠を怒らせたみたいだ」



「何したんだよ、ミナ」



「──分かんない……」







『高梨だってそうだよ。全然私のこと分かってくれてない』



あの時、俺にそう言い放った花瑠は、どこか悲しそうな顔をしていた。


でも、どうして?


俺は、花瑠の何を分かってやれてないんだ?





考えても考えても答えは出なくて、時間だけが過ぎて行く。


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