明日も歌う あなたのために
「あの……だったらどうぞ座って下さい」
龍の座っている椅子の後ろに置かれた、花瑠がいつも使うもう一つの椅子を出そうとベッドから腕を伸ばすと、彼はまた余裕な笑みのままそれを手振りで制した。
「いや、ここで構わん。お前こそ寝たままでもええんやで?」
────その言葉が、純粋に俺の身体を気遣っている訳ではなくて、
どうやら俺を見下している…あるいは馬鹿にしているらしいと、すぐに分かった。
────なんか嫌だ。
直感的にそう思った。
龍は既に彼に対して敵意剥き出しで、ほとんど睨んでいるような目付きで彼を横目に見ている。