明日も歌う あなたのために


時計を見ながら
そんなことばかり考えていると、
花瑠がそんな私を見て言った。



「患者さんの心配してるんでしょ」


「え………、なんで分かるの!?」


「分かるよー!だっておねーちゃん、
おせっかいなくらい他人に介入しちゃうから、患者さんの中の一人を特に気にしすぎちゃうとかありそう」




───なんでこんなに鋭いの……。




「あはは………分かっちゃう?
実は最近も踏み込みすぎて
失敗しちゃって…….…」


「どんな患者さん?」


「花瑠と同い年よ。最近転院して来てね
湊くんって言う男の子でね、
心臓の病気で入院中なんだけどね……」


姉としては情けないけれど、
楽しい食事中に上の空でいるよりは
まだ良いと思い、
話を続けようとしたのだが、
花瑠の方が何故か驚いた顔をしていた。


「え……あたしと同い年で…最近転院してきた心臓病の"湊くん"……?!」

「──??そうよ」


「それってうちのクラスの
高梨湊じゃないの!?」


「え!??」


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