明日も歌う あなたのために
「─────だから何ですか」
「いや、信じられへんと思うたから確かめに来ただけや」
「……信じられない?」
「信じられへんやろ、だって中学生と社会人やで?」
「恋愛に歳の差なんて関係ないでしょう」
関係なくはない、と思う。
けどなんだか悔しくて、そう言いながら再びノートを開いて、適当に聞き流しているフリをして問題を解き始めた。
だけど彼は、そんな俺の装いも見透かしているような顔で、未だにニヤニヤしている。
「大人と子供である前に、看護師と患者なんやで、お前ら」
「─────だから何なんですか」
看護師と患者?
それは俺達が出会った時から決まっていた関係だし、それがなければ今こうして恋人同士にもなれなかっだろう。
恋人同士になった今でも、看護師の”佐原さん”と、彼女の”花菜”の線引きは、上手くやっているつもりだ。
「有り得へんやろ、ゆうてんねん」
───有り得ない?
確かに少しかわってるかもしれないけど、
それが何かあんたに迷惑掛けてんの?
イライラ、彼の言葉が俺の神経を刺激する。
結局、彼は何が言いたいんだ。
さっさと言って帰ってくれないかな……。