明日も歌う あなたのために
「湊くんに……会っていかないの?」
「─────合わせる顔がないもん……」
俯いた花瑠は、今にも泣き出しそうな顔でそう言った。
「おねーちゃんも……ごめんなさい」
「花瑠……?」
この間の形相が夢だったかのように、今私の目の前に居る花瑠はなんだか脆くて弱々しく見えた。
「もっと………もっとずっと早くに謝りたかったの。高梨にも……だけど………」
歪んでいく花瑠の瞳から、ついに涙が零れだした。
「顔、見たら……………泣いちゃう気がして…………っ….」
花瑠と話せなかったこの数日の間、花瑠は何を思って過ごしていたんだろう。
瞼が、少し赤く腫れている。
何度も何度も、擦ったのだろうか。
「───花瑠、場所変えよう。ちゃんと話したい」
話そう。
花瑠が、何を思ってきたのか。
私が、どう思うのか。