明日も歌う あなたのために
「高梨が好き。この気持ちは、まだ消せないけど」
「──うん…」
「でも、おねーちゃんも大好きなんだもん。大好きな2人が幸せになれるんなら……私は……いいの……おねーちゃんになら負けてもいい」
「花瑠……………っ」
無理矢理に笑う。震えるその肩を、思わず強く抱き寄せた。
「ごめんね………ごめんね……花瑠」
───私はずるい。
花瑠をどんなに泣かせたって、
湊くんを手放す事なんか出来ない。
湊くんの為だとかそんな風に言えば聞こえはいいけれど、
本当は違う。
もしも私が居なくて、花瑠が湊くんの恋人だったら……きっと2人は上手くやれてる。
なんの違和感もなく、支えあって生きていける。
───でもね、でもね花瑠。
私と湊くんは出会ってしまったんだ。
湊くんが居ないと駄目なのは、本当は私の方なの。