明日も歌う あなたのために



「俺はここから出らんないし……自分が明日どうなってるのかも、わかんねえ…。”また今度”が本当に来るかなんて……わかんねんだからな!!」







そうひと息に言った高梨は、はぁ…と肩で息をする。




────ドクン…ドクン…



高梨の心臓の鼓動が、顔を埋めた胸からダイレクトに聞こえた。


いきなり動いたからなのか、その鼓動はかなり速い…。






いつ発作が起きて、止まってしまっても可笑しくない高梨の心臓。



適当に手を振る「また明日」が、必ずしもやって来る保証なんかどこにもない。




───それなのに私は…………。



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