明日も歌う あなたのために


───でも………、


「気にしてないなんて嘘でしょ。私本当に酷いこと言っちゃったんだから…」




「本当だってば。本心じゃないのは分かってるし」




「─────おねーちゃんと同じ事言うんだね……」



独り言のようにボソッと呟いた私の言葉に、高梨がすかさず食いつく。



「え、花菜と話せたの?!」




「うん、さっきまで話してた」




「……………仲直りできた?」





「うん、できたよ」




そっかそっか…、と嬉しそうに頷く高梨。



───あの日高梨は、走ってきてまで「花菜と仲直りして」と訴えてきた。



もしかすると、あの日からずっと私たちが喧嘩してしまったことを気にしていたのかな………?

自分のせいかもしれない、って…。


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