明日も歌う あなたのために
─────あ、そうだ!
いいことを閃いた私は小さくポンっと手を鳴らすと、せっかく綺麗にラッピングしてもらった袋を、湊くんを起こさないように静かに開ける。
中から取り出したのは、淡い赤色のチェック柄のブランケット。
いつくもお店を回って、一番肌に優しい素材のものを選んだ。
それを、気づかれないようにそっと優しく湊くんの肩に掛けた。
ふわりとその小さな背中を包む、クリスマスプレゼント。
「……………ん……」
すると背中に違和感を覚えたのか、小さく唸りながら湊くんがゆっくりと瞼を開いた。
「───あれ………花菜?」
目を擦りながら私の姿をその瞳に捉えると、湊くんは「なんで私服でここにいるんだ?」とでも言っているように首をかしげた。
「花菜、何してんの?」
「ノーノー、私、花菜じゃありませーん」
「────え………?いや、どう見ても花菜じゃん」
寝起きで突然意味の分からないことを言われ、湊くんは怪訝そうに眉を潜めた。