明日も歌う あなたのために


しかしすぐに、先ほど肩に掛けられた見覚えのないブランケットの存在に気付き、目を丸くした。




「え…………これ………?」





湊くんはブランケットを肩から降ろして、自分の目の前に持っていく。




「柄とか質感とかすごい好きだな、これ。花菜が持ってきたの?」



「だからぁ、私は花菜じゃないんだってば!」



「え………じゃあ誰?」




ふふふ、とわざとらしく得意げに笑って見せる。






「メリークリスマス!!湊くん!」






パァン!!

と、クラッカーでも鳴らしたい所だが、心臓に障るからさすがに無し。

だからその代わりに、目いっぱい明るい声を張り上げて両手を広げた。
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