明日も歌う あなたのために



「湊くんは……強いよ。こんなにたくさん我慢して……皆の為に笑っているんだもん」




「佐原さん…………」




「そう、湊くんは強いの。だから……絶対に負けたりしない」



私の瞳からも、耐えきれず大粒の涙が零れだした。



「ドナーはみつかる、絶対。そして湊くんは大好きな歌を世界中に響かせるんだ。私が湊くんの歌声を好きなように………きっと世界中の人があなたの歌で笑顔になる。………絶対よ、その未来しかない」



最後は、自分自身の願いだった。




「医療関係者が…………絶対とか言っていいわけ?」


ふっと力なく嘲笑するように湊くんは言った。


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