明日も歌う あなたのために
「誰がなんと言おうと、俺は負けない」
「……うん……っ……」
「絶対に負けないから」
そう言って、湊くんは笑った。
ずっとずっと貼り付けていた、あの完璧すぎる笑顔じゃなくて。
泣いた痕の、少し照れくさそうな幼い笑顔だった。
────私に………この笑顔が守れたらいいのに。
そんな風に思うのは、可笑しいだろうか。
この感情は、看護師の私の気持ちなのか、ひとりの人としての気持ちなのか。それとも、また別の私の気持ちなのか。
そんなのわからない。
だけど、ひとつだけ今確かに言える。