明日も歌う あなたのために
「だけどもうその形は要らない。俺は俺自身に未来を誓えるし、俺も信じてるんだ。兄ちゃんの、未来を」
「ミナ…………………」
「だから兄ちゃんも誓っちゃいなよ!由香里さんに!」
そうからかう様に笑って言うと、兄ちゃんも照れくさそうに笑った。
ちらりと佐原さんの方を伺うと、彼女もまた笑顔だった。
─────佐原さんの、おかげだよ。
あなたが信じてくれたから、俺も信じようって思えたんだ。
佐原さんが俺を救ってくれたように、俺も何か佐原さんの力になれないだろうか。
そう考えることは、きっと別に何も不自然じゃない。
───だけど、
その笑顔を傍で見ていたいと思うのは、可笑しいだろうか…………?