明日も歌う あなたのために
繋がり
【花菜side】
「えっ、退院…ですか?!」
それは、あの屋上の出来事から3週間が経った、ある日のことだった。
「ああ、このまま何とも無ければ週末には退院になるよ、高梨さん」
滝野先生は、笑顔でそう言った。
──湊くんが、退院!
「あ、あのこのこと本人は……」
「もちろん、今朝 僕から説明したよ」
じゃあ今、湊くんはとっても嬉しいはずだ!
その日は久しぶりの日勤で、昼間の湊くんに会うのも久しぶり。
夜勤は夕食から翌日の朝食までくらいしか居ないから、あまり起きている湊くんに会わなかった。
私は手際よく昼の検温やら食事の介助やらで病室を回り、最後に湊くんの病室へ足を運んだ。
──あの一件以来、私はなんだかすっかり湊くんを特別扱いしていることを、認めて開き直ってしまっている。
これといったきっかけは無いけれど、ただ一つ言えるとしたら、
おそらく湊くんも少なからず私を他の看護師より特別に思ってくれてるのではないか、と思えたから。
「えっ、退院…ですか?!」
それは、あの屋上の出来事から3週間が経った、ある日のことだった。
「ああ、このまま何とも無ければ週末には退院になるよ、高梨さん」
滝野先生は、笑顔でそう言った。
──湊くんが、退院!
「あ、あのこのこと本人は……」
「もちろん、今朝 僕から説明したよ」
じゃあ今、湊くんはとっても嬉しいはずだ!
その日は久しぶりの日勤で、昼間の湊くんに会うのも久しぶり。
夜勤は夕食から翌日の朝食までくらいしか居ないから、あまり起きている湊くんに会わなかった。
私は手際よく昼の検温やら食事の介助やらで病室を回り、最後に湊くんの病室へ足を運んだ。
──あの一件以来、私はなんだかすっかり湊くんを特別扱いしていることを、認めて開き直ってしまっている。
これといったきっかけは無いけれど、ただ一つ言えるとしたら、
おそらく湊くんも少なからず私を他の看護師より特別に思ってくれてるのではないか、と思えたから。