明日も歌う あなたのために
「悪かったよ……あの時はビビらせて。でも今はほんとに駄目なときは自分で分かるし、ちゃんと言うから」
龍はまだ納得の行かないような顔をしていたけれど、渋々といった感じで「しょうがねぇな」と言ってくれた。
「ありがと、龍」
そう笑いながら、4ヶ月振りに教室の扉を開いた。
もう俺たち以外の人はほとんど来ていて、がやがやと自由におしゃべりをしていたが、
俺たちが教室の扉を開いた瞬間、ピタッと時が止まったかのように静まり返った。
そして俺の姿を捉えると、
また一気にワッと騒がしくなる。
「高梨!!」
「やべー何ヶ月振り!?」
「高梨じゃんっ」
「高梨が帰ってきた!」
あっという間にクラスメイトに囲まれて、あちこちから「高梨」「高梨」と名前を呼ぶ声が飛び交う。
自分で言うのもなんだけど、"俺って愛されてるなぁ……"なんて思うのは、こんな時。